その整った寝顔をしばし見つめ、君は一体何者なんだ? と自問する。

 視線を移せば、ブシの足元のカーペットの上にブシの赤いリュックが置かれていた。後ろ指をさされながらもボクはリュックのチャックを開けた。

 昼間も見た白い紙や封筒で溢れている。いや、封筒は最初にブシと会った時に見せられたものと同じ柄――うっすらとピンク色の地に、それより少しだけ色の濃い桜の花びらを模した柄と同じだと分かった。さすがに封筒を開けるのまではためらわれ、ただ折られているだけの紙を一枚手に取り開いてみる。

 ボクは目を見開く。

 ――ちゃんと大人しくお留守番しておいてね。