ズバリそのままの説明をしたら、まず間違いなく警察に通報される。ブシの名前も年齢もボクたちは何も知らない。手紙一つでそんな子供を預かっている状況が明るみに出れば、混迷は避けられない。

 結局、今まで通りボクの家に戻った。

 見張り役の犯人の姿が分からない以上、下手に逃げ回る方が危ないのではないかと思った結果だ。

 すぐに1階の雨戸を締め、2階のカーテンも厳重に閉じてから、隙間から道路を見下ろす。

 不審者、不審な車、不審な物。どんな些細な変化でも見逃さないつもりで凝視したが、とりあえず今は気になる変化を見つけるには至らない。