監視は続いている。そう考えるべきだろうし、ならば自宅は危険だ。どこかに逃げることをずっと考えてはいるが、妙案が浮かばない。

「うち来る?」

 不意にマユがそう言った。ボクがずっと黙り込んで考えごとをしているのを見て、意図を察したらしい。だてに付き合いは長くない。