気をつけることといったら沸騰する前に昆布を取り出すこと。万が一沸騰させてしまったらボクは迷いなく一からやり直す。それくらい大切なことなのだ。

 昆布を取り出したら、今度は鰹節を入れるのだが、下手に触らないことが肝要だ。見ていると思わず箸でかき回したくなるが――その方が出汁がたくさん出そうだから――それが一番いただけない。ここはただジッと鰹節が自然に沈んでいくのを待つのみ。

 全て沈んだら一旦火を止める。浮いてきた灰汁を取り除き、2分ほど放置する。その後、ボールにザルとペーパータオルをセットし、出汁を濾《こ》す。