痺れを切らしたのだろう。ブシがチャックを全開にして、リュックを逆さまにするのが見えた。そのまま力任せにリュックを上下に振ったリュックから白い紙のようなものが大量に床にばらまかれる。予想より遥かに多い量だ。リュックはその白い紙でほぼほぼ埋め尽くされていたのではないか。そう思うくらい。
丁度その時、均衡が保たれていたマユと女のつばぜり合いに終焉が訪れた。女が肩でマユを突き飛ばし、マユが派手に尻もちを着いたのだ。
女がナイフを持ち直すのが見えた。女の顔は完全に狂気に歪んでいた。
「マユ!!」
今一度、目一杯、男の手を踏みつけた。刹那、急に足が軽くなったのが分かった。足元に目を向ける。ボクの足首から男の手が離れていた。
丁度その時、均衡が保たれていたマユと女のつばぜり合いに終焉が訪れた。女が肩でマユを突き飛ばし、マユが派手に尻もちを着いたのだ。
女がナイフを持ち直すのが見えた。女の顔は完全に狂気に歪んでいた。
「マユ!!」
今一度、目一杯、男の手を踏みつけた。刹那、急に足が軽くなったのが分かった。足元に目を向ける。ボクの足首から男の手が離れていた。