「ダメダメ。男子禁制だから」
「意味分かんないって」
「分かれよ、ユイ」
「分からないし、分かりたくもない」

 ボクとブシが並んで歩き、マユはボクたちに顔を向け、一歩先を後ろ向きに歩いていた。

「ちゃんと前向かないと危ないよ」
「分かってるって」

 マユの顔に笑顔が戻った。つられてブシも笑っている。よかった。素直にそう思う。

 この時、ボクたちは完全に油断していた。全て解決したものだと思っていたのだ。ブシを取り戻した。男女も逃げ出した。あとはお土産を買って――帰るだけ。