小学生の時は、クラスメイトとの距離感に戸惑い、ほとんど会話を交わすことはなかった。中学に上がれば上がるで、男女《おとこおんな》と言われ続けた。見た目は女。性別は男。じゃあ心は――それが共通の疑問点だったのだろう。クラス全体の興味ごとと言ってもよかった。担任でさえ、そんな生徒たちの対応をやめさせるわけでもなく、むしろ結果が出るのを虎視眈々と待ちわびている節さえあった。
そんな苦労があったものだから、ボクはこの顔が嫌いだった。
そんな苦労があったものだから、ボクはこの顔が嫌いだった。