ボクの顔とは全然違う。あまりに父親の要素を持ち合わせていなくて、父親とのDNAの繋がりでさえ怪しんだ時期もあったが、父親がそれは断固として否定したから、今は信じることにしている。

 じゃあこの顔はどこからと考えれば、必然的に――思春期の頃には既に理解していたが――会ったこともないボクを捨てた母親が残していったものということになる。