凶悪な風体を想定していたのに、意外にも男女はどこにでもいる大学生といった様子の2人組だった。ヒョロリと背が高く、なかなかに爽やかなどこにでもいそうな青年と、大それたことなんてできそうもない見るからに大人しげな女の子の二人組。

 どうしてこんな犯罪に手を合わせる出さなければならなかったのか。ボクには想像さえできない。

 犯人たちは明らかに怯えているように見えた。拍子抜けして、思わず肩から力が抜ける。

「もう逃げられないわよ。ブシコを離しなさい」

 マユが言い放つ。

「……ブシコ?」

 女が首を傾げる。

「あなたたちが連れ去ろうとした女の子よ」