そんなにはっきり断言されると何も言い返す気にはならないものの、武士を招き入れる家は、マユの家ではなくボクの家なのだから、マユに二言があろうがなかろうが、生活が脅かされるのはボクの方なのだ。 

 とは言え、マユのバイタリティーに打ち勝つほどのエネルギーをボクは蓄えてはいない。最も、蓄える前に放電されてしまっているのだから、いつまでたってもマユに太刀打ちできないでいるのは当然といえば当然だ。

「いつまで待たせる気? 早くしなさいよ」

 あがなうこともできず、ボクは玄関を解錠した。