マユはすこぶる視力がいい。マユ自身がブシの髪を結っているから髪型だって覚えているだろうし、服装だって、マユの買ってきた服をブシが自主的に着ていたのだから見間違える可能性は少ない。

「とにかく探そう」

 ジッとしていても何も進まない。いや、園外に出られてしまったら住所どころか名前さえも知らないブシを見つけ出すのは不可能だ。

 マユが指差した方に向かって、ボクはマユは早足で進み始めた。

 遊園地だけに人がごった返している。家族連れ、カップル。女子グループ。男子だけのグループもいる。別行動を取っているのか子供だけのグループもいた。