ボクもとっさに立ち上がりる。

 ブシの向かったトイレは、20メートルほど進んだ通路の交差点を右折してわりとすぐの場所にある。

 交差点を曲がっても、トイレが混雑している様子はない。少なくともトイレの外までは行列はできていない。

「あそこから向こうに引っ張られてた」
「間違いないんだよね?」
「私が美少女を見間違えるはずがないでしょ」

 聞きようによっては、かなり危険極まりない言動だが、今は突っ込んでいる暇はない。