それにあまりゆっくりもしていられない。突然の外出に、晩ごはんの材料が冷蔵庫にほとんどない状態だ。帰りに駅前のスーパーに寄って買い物もしなければならない。

 考えごとをしていると、不意にブシが立ち上がったのが見えた。ソフトクリームは食べ終わり、手にはソフトクリームに巻かれた紙を持っている。

「ゴミ捨てに行くの?」

 一度軽く頷いて、首を傾げる。目的は1つじゃないということだ。

「もしかしてトイレ?」

 ブシは今度は大きく1つ首を縦に振った。

「場所分かる?」
「大丈夫じゃ」