暇さえあればマユはスマホのカメラでブシの姿を収めていた。その姿は一見すると姪っ子との思い出を形に残す麗しき女子大学生の姿であったが、よくよく見れば時々、涎を腕で拭っているマユを見て、思わず後頭部を叩くこともしばしば。

「外では気持ち悪いこと禁止」
「うっさいなぁ。可愛いんだから仕方がないでしょ」

 何が仕方がないのかは定かではないが、散々乗り物に乗って、さすがに疲れてきていたところで休憩用のベンチが空いているのを見つけた。

 そこで一旦休憩を取ることにした。