「マユが食べ過ぎなんだって。今はいいけど、年いったら太るよ」
「レディに年の話は厳禁でしょ」

 あと体重の話もね。これみよがしにそう付け加える。

 体重というワードを口にするものの、マユは体に余分な肉は一切ついていない。取り除く必要もない肉の話をする以前に、枝のような直線的過ぎる体のラインを嘆くべきではないだろうか。

「はいはい。そこまで言うならレディらしい振る舞いをしてくださいね」

 ボクはすかさず反撃に転じる。こういう時くらいしかボクはマユには勝てないのだ。