メニューは前もって決めていた。時間ももったいないし、お腹さえ満たせればそれでいい。

 ボクは迷うことなく目指すカウンターに進み、ナポリタンとホットコーヒーをお盆に乗せ、席に戻ってきた。きっかり10分。タイミングなのかカウンターがあまり混んでいなかったのが幸いした。

「ユイって相変わらず少食だね」

 テーブルに置いたお盆を見て、開口一番、マユがそう言う。