「嫌じゃ、嫌じゃ」
「綺麗になるのに?」
 ブシは首を横に振るばかり。今度ばかりはブシは一向に受け入れる様子はなく、ついにはマユの方が折れた。

「分かった。だったらリップだけにしよう。いいでしょ?」

 コクンとブシは頷き、大人しくなる。薄いピンクのリップ。血色がよくなったように見え、グッとブシの顔が華やいで見えた。