ボクの心配をよそに、レポート用紙や筆記用具一式をしまうと――しまうと言うよりはソファの脇に追いやるだけだが――マユはスマホをいじり始めた。
真顔だった顔がニヤケ、しまいにはしきりに画面をスライブしながら、うわっ、涎が止まんねぇぜと口元に手を持ってくる。
何を見ているのだろうかとソッとマユの背後に立てば、見ているのはブシの浴衣写真だった。水色地に赤の金魚が泳いでる柄の浴衣。輪投げをしている瞬間の画像で、真剣なブシの横顔が映っている。
真顔だった顔がニヤケ、しまいにはしきりに画面をスライブしながら、うわっ、涎が止まんねぇぜと口元に手を持ってくる。
何を見ているのだろうかとソッとマユの背後に立てば、見ているのはブシの浴衣写真だった。水色地に赤の金魚が泳いでる柄の浴衣。輪投げをしている瞬間の画像で、真剣なブシの横顔が映っている。