ボクはよし、と気合を入れ、クーラーを消し、窓を開けた。刹那、降り注ぐけたたましい蝉の鳴き声。アブラゼミに混じって、クマゼミの声も少なくない。

 蝉のハーモニーに耳を傾けつつ、徹底的にリビングに掃除機を走らせた。ローテーブルやソファも動かし、その下まで念入りに。

 その後は雑巾を持ってきて、そこらじゅうを拭きまくる。

 スッキリした。汗だくの額を首から下げたタオルで拭ってから、ふと痛みに気づき、右手に目をやった。