「ブシ……何するの?」
「触るでない!!」

 ブシはピンクのリュックをボクの目の前からかっさらい、まるで宝物を守るように大事大事に胸の前に抱きかかえた。

 ボクはブシを睨みつける。そんなに大切なら床になんて放置しておかなければいいのだ。それも口で注意するだけならともかく、問答無用で刀で叩《はた》くなんて。

「ちょっと退かそうとしただけでしょ?」

 睨みつけるだけでは飽き足らず反論する。