ボクは大きくため息を漏らし、これみよがしにそれらを手で退かしながら、掃除機を走らせた。

 クルリと向きを変える。今度、掃除機の行く手を阻むのはブシのピンクのリュックだ。
 退かそうと、それに右手を伸ばしたところで不意に激痛に襲われた。

「痛っ!!」

 初め、何が起きたのか理解できなかった。ただ視界の端にブシの刀の先端が入っていて、しばし間を開け、ようやくその刀先で叩かれたのだと理解した。