「マユタン殿……離れるのじゃ」
「だーから、殿はいらないから」

 相変わらずの”殿はいらない問題”がやはりいつものようにループしているのを見て、ようやく部屋の温度が上がってきた。

 役に立たないのだから家に帰ればいいのにだなんて何度も思っていたのに、今、目の前の光景を間に当たりにして、考えを改めざるをえなくなった。

 ボクとブシの間にマユは――必要だ。