硬直した私に呆れた家庭教師が近づき肩をぽんと叩いた。

「亞鐘(あべる)御嬢様と双子の珈音(かいん)お坊ちゃんです」私の耳に声を届ける。

その間、真っ赤になって硬直した私をみて美しすぎる双子達が興味津々な表情(かお)をしているのが、次の声でわかった。

「貴方、可愛いとても。だから、私の親友になりなさい」
美しい少女の声が、私の意識を覚醒させる。「何故なんですか?」と聞こうとすると少年の声に阻まれた。
「亞鐘(あべる)、その子を僕と取り合いたいの?」