次に目を覚ました時、どうかこの感情に呑まれていません様に。 憎しみなど僕の最後には相応しくないから。せめて最後の日くらい心穏やかに過ごしたい。そのための終活であり、その為に僕は筆を握ったのだ。 僕のための終活はこうして幕を上げる。 エンドロールを終え、幕を降ろす最後のその瞬間まで僕はこの舞台の主役であり、監督であり、観客でもある。 だからこそその最後の一瞬まで演じ抜くのだ。 さあ、僕の僕による僕のための終活の幕開けだ——。 《第四章:僕のこと 第二節:土曜日fin.》