店内はそれなりに賑わっており、家族連れや学生グループ、会社帰りのサラリーマンが席を埋めていた。
くたびれた制服に袖を通し、疲れ切った顔をした店員に案内された席へと腰を下ろした僕はメニューを眺め、早々に和風おろしハンバーグセットとドリンクバーを注文し、運ばれてきた料理を黙々と食べる。
食事を終え、ドリンクバーでだらだらと居座っているとふとある事を思いついた。
——そうだ、僕にとって人生最後の日を“最高の日”とする為に終活をしよう。
思いたったら何とやらと言う具合に僕は自分の考えをとっさに引っつかんだ紙ナプキンと、アンケートに答える為に用意されたボールペンで僕のためだけの終活について書きなぐった。
終活といっても、一般的なそれとは違う。僕の考える終活とは墓を用意したり、遺産相続の手続きをしたりはしない。
まず最初に頭に浮かんだのは、人生最後の日は何者にも怯えずに安らかに夜を過ごしたいという切実な願いだった。
普段であれば、イートインを導入したコンビニか24時間営業のファミレス等で時間を潰すが、明日はそう言うわけにはいかない。
僕の終活の締めくくりとしてふさわしい“人生最後の日”を、僕自身でどうやって演出するのかひたすら頭を捻る。
そうして導き出した答えこそ“ビジネスホテルを利用する”というものだった。