代わり映えのしない毎日を、明日も明後日も繰り返すものだとばかり思っていた。
——初めは些細な諍いだった。だけどそれは次第に集団心理に働きかけ、終いにはいじめへと繋がった。
息をするのってこんなにも難しかっただろうか。
生きるって案外難しいことなのだと、誰もが一度はその壁にぶち当たる。
違いがあるとすればそのタイミングは人それぞれであり、その壁を乗り越えられる人間とそうでない人間の二パターン存在するということ。
僕の場合はそれが高校二年生の春で、後者のタイプだった。
自分一人で思い悩み、抱え込んだ結果、僕はこの世界との決別を選んだ。
誰かに助けを求めることはしなかった。いや、正確にはできなかった。
頼れる人間などいないことを、僕はいつだって知っていたから。
「僕は今日、——この世界を卒業します」
《プロローグfin.》