喧嘩の理由はケンジだった。この高校に入学したのも、ケンジが理由だった。ナオミは中学時代に、ケンジと出会っていたんだ。俺はまるで知らなかったんだけどな。
彼女は俺とだけでなく、ケンジとも仲良くなった。ナオミの気持ちを知っているのに、自分を置いてけぼりに仲良くなっていく過程を見るのが辛かったそうだ。
しかしそのナオミの気持ちっていうのが、俺の想像とは違っていた。ナオミはケンジに、告白をしたそうなんだ。ケンジのユリちゃんへの想いを知った後に、ちゃんと気持ちを伝え、恋人になりたいと言ったんだよ。ケンジは当然、それは無理だと答えた。友達としては大好きだよ。なんて付け加えるからタチが悪いよな。そんなことを言われれば、諦めるどころかもっと好きになることだってあり得るんだ。
ナオミは彼女にその全てを伝えたよ。彼女は明るく、他にもいい人いるんだし、落ち込むことないよ。なんて言ったそうだ。タケシ君なんてどう? とは言わなかったみたいだな。
もう忘れたいからと、彼女にもケンジと仲良くするのはやめて欲しいなんて言ったそうだ。なにを考えての言葉なのか、俺には理解できない。彼女もそうだったんだろうな。俺たちとの付き合いはやめなかった。ヨシオのことが好きだったからだけだとも思ったが、そうじゃなかった。俺はそんなことなんて知らずに彼女を誘い続けていた。遊びに来いよってなって感じでな。当然俺は、ナオミも一緒だと思っていた。けれど俺は馬鹿なんだ。ナオミが顔を出さなくても、色々忙しいんだろうなとしか感じていなかったんだよ。
彼女の行為を、ナオミは裏切りと呼んでいる。
ナオミは彼女を、この高校に誘った。好きな人ができたから、その人と同じ学校に行きたいと言った。彼女とナオミは当時通っていた中学に付属していた幼稚園からの付き合いで、常に一緒にいる間柄だった。クラスが別々になったことさえなかったという。
彼女はナオミの言うことに逆らえない。その理由は、ナオミには分からないそうだ。お父さんたちの関係かな? なんて言っていたが、俺もそのときはどうでもいいと感じていた。彼女は親に隠したまま、この高校に入学した。試験を受けるための書類なんて、親に頼まなくても作成できるし、誤魔化すことは簡単だったそうだ。ナオミには、そんなことを平気で手伝ってくれる大人が周りを多くうろついている。
彼女は戸惑ったけれど、入学してよかったこともある。それはヨシオと出会えたことだったと、何度もナオミに感謝していた。だからこそ、ナオミになにを言われても、俺たちとの付き合いをやめられなかったんだけどな。
彼女は俺とだけでなく、ケンジとも仲良くなった。ナオミの気持ちを知っているのに、自分を置いてけぼりに仲良くなっていく過程を見るのが辛かったそうだ。
しかしそのナオミの気持ちっていうのが、俺の想像とは違っていた。ナオミはケンジに、告白をしたそうなんだ。ケンジのユリちゃんへの想いを知った後に、ちゃんと気持ちを伝え、恋人になりたいと言ったんだよ。ケンジは当然、それは無理だと答えた。友達としては大好きだよ。なんて付け加えるからタチが悪いよな。そんなことを言われれば、諦めるどころかもっと好きになることだってあり得るんだ。
ナオミは彼女にその全てを伝えたよ。彼女は明るく、他にもいい人いるんだし、落ち込むことないよ。なんて言ったそうだ。タケシ君なんてどう? とは言わなかったみたいだな。
もう忘れたいからと、彼女にもケンジと仲良くするのはやめて欲しいなんて言ったそうだ。なにを考えての言葉なのか、俺には理解できない。彼女もそうだったんだろうな。俺たちとの付き合いはやめなかった。ヨシオのことが好きだったからだけだとも思ったが、そうじゃなかった。俺はそんなことなんて知らずに彼女を誘い続けていた。遊びに来いよってなって感じでな。当然俺は、ナオミも一緒だと思っていた。けれど俺は馬鹿なんだ。ナオミが顔を出さなくても、色々忙しいんだろうなとしか感じていなかったんだよ。
彼女の行為を、ナオミは裏切りと呼んでいる。
ナオミは彼女を、この高校に誘った。好きな人ができたから、その人と同じ学校に行きたいと言った。彼女とナオミは当時通っていた中学に付属していた幼稚園からの付き合いで、常に一緒にいる間柄だった。クラスが別々になったことさえなかったという。
彼女はナオミの言うことに逆らえない。その理由は、ナオミには分からないそうだ。お父さんたちの関係かな? なんて言っていたが、俺もそのときはどうでもいいと感じていた。彼女は親に隠したまま、この高校に入学した。試験を受けるための書類なんて、親に頼まなくても作成できるし、誤魔化すことは簡単だったそうだ。ナオミには、そんなことを平気で手伝ってくれる大人が周りを多くうろついている。
彼女は戸惑ったけれど、入学してよかったこともある。それはヨシオと出会えたことだったと、何度もナオミに感謝していた。だからこそ、ナオミになにを言われても、俺たちとの付き合いをやめられなかったんだけどな。