「先生……」

ドアが閉まり、電車は動き始めた。

急いで近くの席の窓を開け、顔を出すと、いつまでも僕に手を振る先生がいた。


その奥には線路が、どこまでも続いているかのように伸びていた。

先生の姿が見えなくなると、僕は席に座った。


そしてこれからやってくる未来を、目の前に広がる景色に、重ね合わせていた。

それはとても、眩しいように思えた。





End