「ところで想。」

僕は想の耳元で言った。

「奈々瀬とは、どこまでいってる?」

「え!!」

想の顔が赤くなっているのを見ると、まだ全然って感じか。


「なあに?二人でこそこそ。」

想の気持ちを知らないのは、どうやら当の本人の、奈々瀬だけらしい。

「いや、ははは……」

「意外と奥手なのな。」

「うるさい、祐輔。」

「だから、何なのよ。二人とも。」


残りの高校生活。

こんな感じで過ぎていくんだろうな。


そういえば早川先生は、あの後、実家に戻ったって聞いたけれど、元気にしてるのかな。

あれっきり、会うこともなかったけれど、時々ふと先生に会いたくなることがあった。