「あなたの名前って、秋元……祐輔?」

「はい。」

僕の名前を聞いて、先生は狂ったように笑い出した。

「私って本当にバカね。」

「先生?」

「自分の好きな人の子供も、分かっていなかったなんて……」


好きな人?


「好きな人って?……え?」

そして先生は、僕を見て言った。

「私はね、あなたのお父さんと、付き合ってたのよ。」

「付き合ってた?」

「そう。不倫相手。」

僕は言葉失った。


「何?見る目が変わった?無理もないわよね、自分の父親の相手だもんね。」

「いや、そういう事じゃなくて……」

「いいのよ。みんな同じだもの。みんな、汚いものを見るような目で、私を見るのよ。」

先生の目からは、涙が溢れていた。

「ただ……人を愛しただけなのに………」


ああ、もうダメだ。

我慢できない。

俺は次の瞬間、先生を抱きしめていた。