そんな心配をしていると、早速誤解している人が僕の隣に座った。

「おはよう、今井さん。」

「おはよう、川合さん。」

二人はいたって普通に挨拶をするけれど、どう考えたって、由果が奈々瀬に、敵対心を持っているのは分かる。

「今井さん、祐輔を仲いいんだ。」

ほら、きた。

「ああ……小学校から一緒だから。」

奈々瀬は争うことが嫌いなせいか、いつも曖昧な返事をする。

「そう、私は中学の時からだから、今井さんよりも年数は少ないけれど、」

由果はそう言って、僕と腕を組んだ。

「私たちの邪魔、しないでくれる?」

おいおい!

僕はお前と無関係だって。

「付き合っているの?」

奈々瀬が由果に聞いた。

「そんなものよ。」

由果だって、負けていない。

「いつから?」

「いつって高校に入ってからよ。」

奈々瀬はにっこり笑って言った。

「じゃあ、安心ね。」