「何だよ、うるさいな。」

そのまま静かに寝てもいられなく、僕は体を起こして着替えると、学園の寮になっている下の階に降りていった。


「おはようございます、坊ちゃま。」

「坊ちゃまはやめて下さい、林さん。」

目の前にいるのは、寮を管理している林さんで、父親に雇われているという信念からか、僕のことをやたら坊ちゃまと呼んでいた。

「もう来てるの?新しいヤツ。」

「いいえ、まだでございます。」

「そうなんだ。」

僕は林さんが、荷物を新しい部屋に入れるのを見ると
一階にある学食へと向かった。


自宅兼学生寮の僕の家は、一階が学生の共同スペースと管理人室。

二階が学生の個人部屋。

三階が僕たち家族の家になっていた。


僕は普段、食事を三階にある家で食べているのだが、
たまに学食にうまいものが出ると、わざわざ一階に降りてまで食べに行っていた。

思い出すと、小さい時はお兄さんやお姉さんに囲まれて楽しかったな。