そしてまた僕は、知らないうちに目線を、あの人に合わせてしまうのだった。

「こんなに苦労したモデルはいないわ。」

「すみません。」

僕はただ、じっと座っていることも出来ない自分が、恥ずかしくって仕方なかった。

「はい。これ。」

そう言って手渡されたスケッチには、笑っている僕が描かれていた。

「あの……僕、笑ってましたっけ。」

「ううん。笑ってないわよ。」

あの人はスケッチブックを閉じた。

「祐輔君は笑ったら、そんな感じかなっと思って。」

「ふっ……はははは。」

「え~。何よ~。」

僕は思わず、笑ってしまった。

可笑しいのと、先生のかわいらしさが、僕の中で入り混じっていったからだ。

「やっと笑ってくれた。」

先生の言葉を聞いて、僕は笑うのをやめた。