次の日、僕は学校の廊下で、転校生のヤツと会った。

「祐輔。」

ヤツはさっそくできた友達みたいに、僕の名前を呼んだ。

「俺、絵画科だった。」

「絵画?」

全くイメージとは異なる学科に、“こいつ絵を描くのか“と、密かに驚いた。


「だけどここの学校、本当に才能のある人ばっかりで、びっくりしたよ。」

お前もその一員だって。

心の中で、ヤツに突っ込みを入れる。

「高原、」

「想って呼べよ。」

ヤツは、友達に甘えるように、そう言った。

「想。この学校には、学長に誘われて来たって言ってたよな。」

「ああ、そうだよ。」

「その話、詳しく話してくれないか?」

僕は、父がなんて言ってこいつを引き入れたのか、知りたかった。

こいつがあまりにも、他人事のように、この学校の事を話すからだ。

そしてヤツは、廊下を歩きながら、話し始めた。