僕は君と、本の世界で恋をした。




翌日、私は朝食を済ませるとすぐに家を出た。

オープンキャンパスで来た彼が、また大学の図書館に訪れるとは思えなかったけど、ほかに心当たりもない。

私は一縷の望みを持って図書館へ向かった。


それに別の理由でも私は家に居たくなかった。

あそこにいるとどうしても息が苦しくなる。


学生は夏休みだけど、社会人にとっては平日の月曜日。

私は通勤客で溢れた電車に乗った。

家を出るとき『行ってきます』と告げた私の背中に、『今日も頑張るわね』と機嫌よく見送ってきた母のことを思い出して、気分が悪くなる。

母の大きな期待に苛立ちを覚えながら、それと同時に罪悪感も抱く。

私はずっと、母に嘘をつき続けている。