冷房の効いた大学の建物から外に出ると、ムワッと生温い風が肌を撫でた。
構内は相変わらず賑わっていて、図書館の静けさが嘘のようだった。
学生たちが来場客の対応に忙しなく動いている。
その中を人の流れとは逆に歩くのはちょっと後ろめたい感じがした。
数時間前大学に訪れた時はこの雰囲気に嫌気を感じていたくせに、そんな風に思うのは優人に繋がれた手のせいかもしれない。
「あの、篠崎さん!」
すぐ前を歩く篠崎さんに声を掛ける。
彼は人の波をうまく避けながらどんどん進んでいた。
「ん? なに?」
「あの、手……」
私は繋がれた手を見る。
図書館を出てからずっと繋いだままだ。
人が多いとはいえ、やっぱり少し恥ずかしい。
「あぁ。ごめん、痛かった?」
彼はそう言ってぱっと手を離した。
痛かったわけではないんだけど、と否定しようとしたそのとき、
「文乃!」
私の名を呼ぶ大きな声がして、思わず足を止める。
声のしたほうを振り返ったところで、私はすぐに足を止めなければよかったと後悔する。私を見つけた菜穂が、もの凄い勢いで近づいてきていた。
「もう、文乃! 逃げる気だったでしょう!」
菜穂は私の腕を掴んで、眉間にしわを寄せながら口をとがらせている。
構内は相変わらず賑わっていて、図書館の静けさが嘘のようだった。
学生たちが来場客の対応に忙しなく動いている。
その中を人の流れとは逆に歩くのはちょっと後ろめたい感じがした。
数時間前大学に訪れた時はこの雰囲気に嫌気を感じていたくせに、そんな風に思うのは優人に繋がれた手のせいかもしれない。
「あの、篠崎さん!」
すぐ前を歩く篠崎さんに声を掛ける。
彼は人の波をうまく避けながらどんどん進んでいた。
「ん? なに?」
「あの、手……」
私は繋がれた手を見る。
図書館を出てからずっと繋いだままだ。
人が多いとはいえ、やっぱり少し恥ずかしい。
「あぁ。ごめん、痛かった?」
彼はそう言ってぱっと手を離した。
痛かったわけではないんだけど、と否定しようとしたそのとき、
「文乃!」
私の名を呼ぶ大きな声がして、思わず足を止める。
声のしたほうを振り返ったところで、私はすぐに足を止めなければよかったと後悔する。私を見つけた菜穂が、もの凄い勢いで近づいてきていた。
「もう、文乃! 逃げる気だったでしょう!」
菜穂は私の腕を掴んで、眉間にしわを寄せながら口をとがらせている。
