「好きだよ」



 好き。凄く。



「好きだった」



 息がつまった。
 喉がしまった。

 涙がこぼれた。






 意味がわからない。見上げた空が綺麗すぎてそれで、溢れた涙なんだろうと思う。後から後から溢れる涙を手で拭って、それを遮った、

 隣から伸びた手が私の頬を撫でる。






「おれも好きだったよ」


 笑った日野は、くしゃりと笑って泣いていたその顔は、陽だまりの中。







 瞬きの間に光に溶けて消えてしまった。