「あれを出せ、勝部!」

朝霧が叫んだ。

「あの化け物を倒すには、あのヒューマノイドを出すしかない」
「し、しかし!」
「どうせ今さら返せんのだろう?使ってやる」

朝霧の形相に勝部は迷っていたが、二体のヒューマノイドを作動させた。
二基の培養装置の中から、それぞれ赤と緑の全身ボンデージを纏った二体の女型ヒューマノイドが姿を現す。
髪を高く結い上げ、端正な顔立ちに紅い唇。
二人とも同じ顔てある。

赤のヒューマノイドは鎖鎌|(くさりがま)、緑のヒューマノイドは両手に(くさび)を持っている。
真吏を襲ったヒューマノイドは青いボンデージで、手裏剣と日本刀を所有していた。

「あいつを殺せ。何が護衛屋だ。チンピラめ」

民間人を安全に導く警察官の身でありながら、物騒な台詞(セリフ)を朝霧が叫んだ。

「そうだ。おれは護衛をするだけだ。自分からは手出しはしない」

アキラルが手袋を固定する。
二体のヒューマノイドが左右から襲いかかる!

「火の粉を振り払うだけだ」

赤いヒューマノイドが鎖を投げつけアキラルの腕に絡みつける。
彼はそれを掴み引き摺り手繰りよせる。
間髪いれず刺青、緑のヒューマノイドが楔を突いてくる。

即座に飛んで交わし、掴んでいるいた鎖をその反動で振り上げた。
赤いヒューマノイドが緑のヒューマノイドに叩きつけられたが、受け身を取り即座に身を立て直す。
先ほどのヒューマノイドならば砕けていた攻撃だが、今回は耐えた。

「情報を共有している」

先に倒されたヒューマノイドの発信から、情報を共有しているようだ。
アキラルの動き、体術を攻略し攻撃を流している。
青年とヒューマノイドの攻防は平行線が続いている。