Chapter31






Chapter31







大きい声じゃゆわれへんけど、実はうち……


正社員やなくてバイトで入ってん。


バイトになった理由はちょっとおいとくで(遠い目



家から近いし、何より繋ぎ(言い方悪いけどな)で入ってん。


そん時就きたかったんは別の職種やったから。


けど、よっぽど人が寄り付かんかったんやろな。


バイトでの契約やのに、三ヶ月経って



「休憩時間挟むと教えんの面倒やから長くして。」



……という理由であっさり正社員。


ゆったんは勿論、咫穢臀さんや。(教えてもろたのそんなないけどな…)



まぁ、正社員ゆーても時給換算やから、手当も残業代も無し。


タイムカード手書きやし、形だけ。


一応やけど時間決まっとるのに。


残業代付いとったら、給与どんだけ上がってたか……

角橋さん曰く



「うち残業とか関係ないから。」



やて。



このパターンやと、残業というもんはなきゃあかんで……



因みに、月給でっていう話も出てんけど、キッパリ断ったわ。


だってな、角橋さんは多分月給制やろうけどタイムカード付けとらんみたいやし、得意先に納品に行ったら帰るん11時とかやで。


雇用契約書も無くて、うちん時も口頭やったし。


どんだけ曖昧にされるか分かったもんやない!


時給上がった時も、上げんくて、ゆったしな!



この度タイムカードが機械に通すことにしたんは、会計事務所を変えたかららしい。


全く……はよしてくれたらええのに。


ほんまやること遅いわー。

Chapter32






Chapter32







うちの社長ってな、人の上に立っとるだけでな、全然把握しとらん。



心配性なんか確認したいんか知らんけど、めっちゃ電話をかけてくる得意先の人が一人おんねんな。


相手は角橋さんやねんけど、流石に参っとるみたいや。


そんな中、社長がうちに一言。


「榊さん、担当する?」



しかも半笑いで言いよった。


担当って……

うち、既に蜷縄さんの担当しとった得意先、全てしとんねんけど。



大体、角橋さんが得意先の人と話しとることはエプロンの縫製のことや。


形がどうの、縫い方がどうの、生地がどうの。


うちが答えられへん&決定出来ひん内容ばっかりや。


けど、そうゆーの以外は全てうちが窓口しとる。

受発注から納期確認、伝票作成、発送、謝罪含め


全てや!(納期確認なんて襷苳さんがずらしまくるから伝書鳩気分やわ



それやのに、そんないな言葉が出てくるやなんて……



ほんま、従業員のこと把握しとらん。



うちの努力、誰か見てくれとる人間はおらんのやろか…(きっと蜀仙にはおらんな…

Chapter33






Chapter33







週に一度、蜀仙にも朝礼とゆうもんが存在すんねん。


主に社長のスケジュールを聞く場やねん。


まぁ、後から勝手にアポ増やして、しかもゆえへんからあんま意味ないんやけどな。


そんな朝礼で、社長のスケジュール以外で恒例化しとるもんがある。



発言者は、襷苳さん。

時期は、月末近く。



ピンッ!ときた人はもう情報通!


そう、納期の件や。



大体の得意先から納期を月末でってお願いされる。


区切りええからな。


だから、納期が重なんねんけど、それはいつものことや。


発注もらった時から順序よう、効率よう計画したらええだけや。

狂わせるほどのアクシデントなんて、ほぼ無いからな。



それに、締めかて一緒や。



けど、ここまで来たらお分かりやろう。



襷苳さんはいう。



「月末納品たくさんあるから忙しいですわ。」



そして、社長が返す。



「分かった。榊さん、手伝いよろしゅーな。」



振られたうちは、苦笑い。



う ち か て

月 末 締 め で


忙 し い ち ゅ ー ね ん !

Chapter34






Chapter34







これだけ言っとるうちかてな、蜀仙のこの状況を打破したいと思うて色々してんで。


社長にな、



「人手が足らん。うちだけじゃ業務に大変な支障が出とる。大幅に納期も遅れとる。人を入れて欲しい。」



とゆうてんで。



そしたら社長、何てゆうたと思う?



「金がないから無理や。」



たった一言で済ませよったっ!

か、金が無いやと~!?



それやのに、海外進出したんか?!


しかも、上手くいっとらんって言う!



何やねん!!!


海外の失敗の補填に金が必要で無理やて。



分不相応なことするからやわ。


事務所すらちゃんと出来てへんのに海外なんて……



結局全てが疎かになって、悪循環にしかなれへんねや。

Chapter35






Chapter35







会議、もとい堂々巡りの打ち合わせでの社長の発言。



「襷苳さんの性格は変わらん。俺達が合わせなな。」



はあ?


合わせたことなんて一度たりとも無いやろっ!



大体、教育するきゼロや!


従業員は育てなあかん。

企業ごとにやり方ちゃうのに。


企業に勤めたことない自己流の襷苳さんは尚更や。


やのに、この発言。


単に面倒なだけやろっ!

Chapter36






Chapter36







従業員の誰かが休んだりすると、休んだ人の業務って代わりにするやんか。


担当外でも、その日にしなあかんものは特にな。


しかぁーしっ!


蜀仙は違った!(このセリフ何回目やろ…




うちが休んだら、置きっぱなしのほったらかし。



伝票も、送り状も、出荷も。

何もかも。



特に出荷は遅らせたらあかんやろ……(呆



けど、その逆はないねんで。


鶏虎さんが、咫穢臀さんが、襷苳さんが、

休んでも、その人達の業務はやらなあかん。



うちがな。(このセリフも何回目か……



普通やったら、進んでするで。

普通やったらな。



けど、こんな仕打ちされたらする気無くすわ。

Chapter37






Chapter37







海外縫製のエプロン(Chapter13参照)は、でっかい段ボール箱で一度に何十箱入るねん。


多い時は百近くな。



広ない事務所奥の狭い狭いスペースに、これでもかっ!ゆーくらいツメツメに入れんねん。


外には置いとかれへん。

シャッターが降りる位置までに収まらんからや。



うちでは動かされへん重たさやから、社長と角橋さんとで入れんねんけど、整理整頓っていう概念が欠けとるから順番とか全く考えん。



色とか大きさとか入荷日とか、色々あんねんけど、全無視。


入れるだけ入れたら、はい終わり。



出荷すんのうちやねんけど!



何処に何があるか分からんようになるから、分けてゆーても、

入った時にせめて表書きしたいゆーても、



「そんなん開けたら分かるやん。」



で終了~。


一々いらん箱まで開けなあかん。



時間かかってかかってしゃーない。



うちが持たれへん重さの荷物を運んでくれるんは有難いねんけど、運ぶだけって……



あ~、蜀仙に来て必然的に力が付いたとはいえ、うちがもっと力持ちならええのになぁ~(憧

そんなんで、うちが動かすんは無理やねん。


そんな中、一種類のエプロンが出荷する時枚数が足りんことに気付いた。


咫穢臀さんが手書きで付けとる在庫表には後百枚は残っとるってなっとったから、丸々一箱足りん計算や。



やから、咫穢臀さんが絶対あるはずやってゆーた。


社長も角橋さんも外出でおらんかったけど、動かして探したで。


必死になって!!!


一人で!!!!



けど、見つからんかった。



持ち上げることすら出来ひん重さやから、ずらしてずらして。


仕事する前からヘロヘロになって……

でな、結論をゆうとあってん。


ちゃんと百枚分一箱。


けど、何処にあったと思う?



中2階に上がる為の階段の下や。


帰ってきた角橋さんにも探してもろうて見つかったんや。


そこは社長が片付けた際に別の商品の置き場とした所や。



社長本人にこのことゆーたら、



「あーすまんすまん。(笑)」



笑い事ちゃうねんっっ!!!



無責任過ぎる!



無責任といえば、うちが無いゆうた時に咫穢臀さんと襷苳さんからゆわれたんもそないな無責任な感じ。



「全部見なきゃあかんで。」



あんたらは何もしとらんやろ!


うちが必死に探しとった時に、傍観&無視しとっただけや!


襷苳さんは、明らかうちより力あんねん。


うちが引きずるような生地も軽々抱えられるしな。


咫穢臀さんはひ弱なフリして何もせーへん。



蜀仙は、【若いから】で、何でもうちに押し付ける。


若いからって、限界が無いわけやない。


うちかて疲れるんや……


これって、老害って言ってもきっとバチ当たらんよなぁ……(疲

Chapter38






Chapter38







社長とサシでな、ちょこっと業務について話す機会があってん。


結果的には打ち合わせと同じく堂々巡りやったけど。


そん中で社長が独自の持論を展開した。


うちが、蜷縄さん海外行ってもーたから新しい営業さんおると助かるなぁってゆうた時や。



「うちにはもう営業なんていらん。育てんのも時間かかるし面倒や。売価出すんは俺しか出来ん。そんなん時間の無駄や。タブレット持たしてシステム管理して、入力すれば売価が出るシステム作りゃ営業なんていらん。システムさえあれば、得意先に行くのなんて誰でもええ。」

この人、全世界の営業さん敵に回したでっ!



確かに社長のいうシステムやったら簡単に売価出せるわ。



けど、営業がおらんくてええちゅーんは、ちゃうやろ。



いくら高性能なシステムがあっても、使う人間がシステムに使われとったらあかんで。


数値とか入力するだけなら、お客さん自身でも出来るやん。


それって得意先に行くメリットが無い。

お客さんも時間取るし、じゃネット経由で、ってなるやん。


しかも、完全に受け身発想やし……



うちはプレゼン能力無いから、お客として営業さんの話聞くと凄いな思う。


こんな営業さんのトーク力ちゅーもんは、企業にとってめっちゃ重要なポジションやと、うちは思うねんけどなぁ……



他愛ない話の中で次の仕事取るとか、持ちつ持たれつとか、

結構世の中の営業さんは、活躍してはると思うのはうちだけやろか……(疑問

Chapter39






Chapter39







つーか悟ったわ。



得意先のことも
会社のことも
従業員のことも

なぁーんにも考えとらん。



それに、何をゆうても無駄。

教えても学ぼうとせん。


馬の耳に念仏や。



会社をより良くしていこうと

提案も改善もめっちゃくちゃしてきたけど無理や。


したそばからひっくり返す。



誰かを見捨てるって

何かを見限るって


こんな感じなんかなぁ???

何もかも、

もう、どーでもええ。



うちが頑張る必要なんて、何処にもあれへん。


ただ得意先に迷惑ならんよーに仕事して、日々を過ごせばええ。


押し付けられたら、その分だけすればええ。


気を回す必要なんてない。


蜀仙の全てにおいて、諦めたわ。




バーンアウトシンドローム?やっけ。

燃え尽き症候群やないけど、ある時を境になんかやる気無くしてんなー。


仕事以外は意欲あるし大丈夫やから、病気とかやないで!(誰も心配しとらんと思うけど(笑


ストレスは日々蓄積されまくりやけどなっ!(満面の笑み

Chapter40






Chapter40







時代錯誤の体質、蜀仙



自己中心的な、会長

自由気ままな、綾牝さん



自我が強すぎる、社長

会社経営を学ばない、鶏虎さん



自分勝手な、咫穢臀さん

危機感が無さすぎる、角橋さん



押し付けと嘘が得意な、襷苳さん

だんだん親に似てきた、番濡雌さん



自分の仕事すら出来ない、妻傳さん

知らん顔が得意な、杤吐さん



何もかも自己流で分かりにくい、蜷縄さん



天然ボケをかます、戈殳ちゃん




そん中で甲斐甲斐しく(笑)頑張る、榊ことうち

ここまで蜀仙のカオスっぷりをお届けしてきたけど、そろそろお開きにしようか。



疲れきった身体と重たい腰を上げて、転職活動に本腰を入れようか思おてんねん。


色々体制変わって、うち無しやったら支障が出る業務も増えまくり。



うちが辞めたらどーなるやろか、と今から楽しみやわ。(悪い笑顔




まぁ、転職完了すんのにも時間かかる。


リピート&マンネリ化してる言動も、日々顔をつき合わせとったらまた新たなカオスが出てくるよって。



そん時は、Chapterの数が増えていくさかい。

また見たってな!

地球上、億単位の人間がおれば何かと問題もぎょーさん出てくるなぁー



けど、何もかも全く同じなんて個性が確立した世の中では気持ち悪いやんな…(双子とか三つ子やったら可愛いけど



自分以外の人間から学ぶもんってたくさんあるわ。


日々、精進せなな。



諦めへんでっ!

自分と未来の為に頑張る!







さて、本題に戻ろか。


ここまで読んでくれて、ほんまありがとうな。

感謝感激雨霰やで(嬉





ほんで、カオスな現場からは今んとこ以上や!




ほな、また会う日までっ!!!

Chapter41






Chapter41







別れを言ったそばから現れたで(笑)


そこ!
帰ってくんのが早すぎるなんてゆわないっ!



うちかて、あんま御披露目なんてしたくないんやで?


恥を晒すことなんて(ここまで書いといてなんやけどな

さあ、恥を晒そか(ウキウキ←


襷苳さんは、総じて都合の悪いことは知らないと言うねん。



得意先からきた発注書が見にくいゆうから、付箋付けてわかりやすうしたのに一年以上経ってから



「なんで付箋なんか付けてんの?見にくいやんか。」



……あんたが付けろゆうたんやっ!


分かりにくいゆうたんも
付箋付けろゆうたんも

あんたやちゅーねん!


大体そん時、あんたに確認したわ!


これでええゆうたやろっ!


だからわざわざ付けてんねや。

必要性の無い、無駄ともいえる発注書に付箋を。



だからな、言われた瞬間から止めたんや。

付箋も全部取って綺麗サッパリ見やすうなったわ。


いちいち書くのも時間取られて大変やってん。



言われたことはすぐ実行。
無駄と思われることはスルー。


無駄な労力使わんようにしてくにはこれに限るわ~

Chapter42






Chapter42







会長に続いて(Chapter11参照)、社長までリースを初めよった。

そん時の話や。


社長が全てにおいて行動するんが遅いんは散々書いてきた。


けど、得意先とうちがここまで酷い被害を受けたんは会計システム入れかえた時以来ちゃうか、っていう感じや。



まず、得意先は末締めのとこ。


リース開始日が月最終の週の真ん中。



会長とは違うとこ見せたかったんやろか。



見積書二度見したわ。
リースする品目が五十を越えとった。


しかも、四店舗同時開始。




そして、その事実を知ったんが締日当日の午後五時。


見積書があるにも関わらず、売価を決めとらん品目が多数。


社長は出掛けている。


仕入先(遠方)の担当者も不慣れらしい。


得意先は日々の数量が載った納品書とExcelで作成した表と請求書を、四店舗分を店舗へ今日中に欲しい。


その時点で、締めの作業はまだ終わっとらん。





はい、詰みましたっっ!


もう逃れようがない。

完全に包囲されましたっ!

結果、残業を四時間ほどして仕上げた。


帰ってこん社長に電話して。


全てを完璧に。


うち一人で。



やのにっ!!




「あ、ゆうの忘れとった。請求書の送り先、店舗別やったわ。」



シレッと半笑いで社長が電話越しに誤魔化す。


ふと気になり聞いたことが、大問題やった。


こんな時間や。
得意先の担当者も帰っとっておらんかった(締日関係ないリース担当やから当然やわ



社長は勿論、



「俺も住所知らんし、明日でええわ。謝りの文書つけといたら、一日くらい構へんやろ。」



うん。


我が儘炸裂。




誰もおらん会社で一人、通話が切れた携帯を握り潰すとこやったわ。



無駄な残業なんかしたないねんっ!





うちの時間を返せ―――!!!

Chapter43






Chapter43







鶏虎さんってかなり放置が好きやねん。


うちが締めをしとって忙しいて絶対分かっとるのに、配達されてきた荷物を全く受け取らん。


電話も荷物もお客さんも放置。


だんだん咫穢臀さんに似てきた。


一人で十分や!

二人もいらんちゅーねん!





それと、一件だけ得意先専用のネット経由で請求書を作成しなあかんねん。

うちと違ってハイテクやろ。(まだ一件だけやけどな


登録から入力、得意先との連絡は鶏虎さん担当やねん。

発注受けるんが鶏虎さんやからな。


でも、鶏虎さんは当然の如くうちに押し付けようとしてきた。

勿論断ったで。


振れる相手もおらんのに、これ以上は面倒みきれんからな。

本当の意味での後輩が欲しいわぁ~


無理やゆうてんのに、毎月押し付けようとするし。

で、ある時鶏虎さんが言った言葉



「しゃーないな。遅ぉなるといかんからやるわ。」



いかにもうちから押し付けた感じで。



遅くなってんのは、仕事放置してる自分のせいや!


大体、うちは誰よりも早うしてるわ!


遅なる原因はあんたらや!



これが俗に言う働き蟻の法則なのかっ…

Chapter44






Chapter44







襷苳さんってな、勝手に自己完結しよんねん。



発注書は得意先ごとにファイリングして、パソコン使えない襷苳さんが一覧で見れる様にうちがわざわざ手書きしとる。


これ以上無いくらい分かりやすうしてある。

調べたら必ず分かるように。


やのに。



「〇〇〇ってどうやった?」



いちいち聞いてくる。


こっちはあんたのせいで、自分の仕事さえも満足に出来ひんってゆーのに。


自分で調べろちゅーねん!




で、仕事や!仕方ないっ!って調べてようとしたって、すぐに答えられん場合ってあるやんか。


聞いて一分後。



「もおええわ。自分で見るから。」



五分も待たれへんのかいな…



つーか、結局自分でするなら、聞くなっ!

Chapter45






Chapter45







ある日、誰とか分からんけど、社長が電話で話とった。



「スピーディー、スピーディー!何事もスピードが命やで!」



うん。

もう、うちが言いたいこと、ここまで読んでもらった皆さんやったらお分かりやと思う。


さんざんゆうてきたけど、ゆうわ。



あんたがゆうなぁっっ!!!



何がスピーディーや!

何がスピード命や!



あんた自身が、全然スピーディーちゃうわ!


うちに言わせりゃ、有言不実行!


どれだけうちの改善案を軽い返事だけで済ませてきたか。



口先だけの、行動が全く伴っとらん。


嘘つきそのものや!

Chapter46






Chapter46







社長は流行に踊らされて(Chapter27参照)個人情報や会社情報の管理が甘甘なんはご承知の通りや。



そんな中、社長は従業員の皆にプライベートのメアドを聞いとった。



電話だけじゃ物足りんのかなぁ?


うちが古いだけやろか?


親しい間柄でもないのに。


しかも、社長に。



緊急連絡先という名目やったらちょこっとは許す。


けど、ただ単に社内状況報告したいってだけやった。



まぁ、添付ファイルもあるみたいで、会社用個人メアドがあるうちはそっちにくるようやけど。



事務員のうちに滅多に緊急連絡なんて必要ないし、本当に緊急やったら電話で留守電残すやろ~


だからメアドとかいらんやろ~


って思ううちは古い人間やろか?(電番よりメアドの方が変えれるからどっちもどっち?



同年代がおらん現時点では会社とプライベートは絶対分けたいねんな~


手当て出んのに、休日出勤しとるけどな…(諦



プライベート犠牲にしまくりやっ!

Chapter47






Chapter47







会社の備品って無くなったら困るやんか。

だから、使う人間が後少しやな、って思ったら注文するやろ?


その注文する役目は、気付いた人、ってなってんねんけど、まぁうちやな。


で、うちも言われたらするし、うちも使う側やから気付いたら注文する。




けど、咫穢臀さんは違った。



咫穢臀さんしか使わんサイズの付箋があるんや。


無くなりかけとったら言えばええのに、無くなってから



「なんで頼んどらんの?それくらいちゃんと見ときや。迷惑やで。」



あんたにいわれとーないわっ!


大体、注文の仕方が分からん、面倒、覚えたないってゆうからうちがしとんねん!


総務課なんて立派なもんこの蜀仙無いねん!


迷惑はこっちのセリフやぁ!!

Chapter48






Chapter48







蜀仙には、会社の規模に反比例して商品コードがたくさんある。


それはそれは物凄く。

何千件単位で。



仕入先別に、商品別に、細かくコードを取っとるからや。


けど、生地とかすぐ廃番になるから、使わんコードが野放しになっとった。


鶏虎さんと咫穢臀さんが作るだけ作って放置しとったからな。


やから、台帳を新しい会計ソフトに移す時に減らしたんや。


例えば、生地なら品番は変わるけど通しの頭文字は変わらんから、頭文字のコードだけ作って後は手入力することにしたんや。


コード数減るし、うちらは生地の違いなんて、見本ないと品番だけじゃ分からん。


生地は得意先の指定もしくは提案で決まるし、その都度変わる。


やからそれで問題ないと、鶏虎さんも咫穢臀さんも角橋さんもゆうたから減らした。


そんでも結構な件数あったけどな。

けど、移してから一年と半年。


社長がゆうた。



「仕入値も売価も商品別に見られへんのは邪魔くさい。しかも手入力って間違わんか?」



いや、コード入れるんそもそも手入力。


つか、いらんコードがあったって邪魔なだけやねん。


入力する時、検索かけても大量に出てくるから探さなあかん。


時間の無駄やねん!



人を使って苦労したことない、最悪なDNAをしっかり受け継いどるわ。

Chapter49






Chapter49







毎朝事務所の周りのゴミ拾い(Chapter3参照)しとるゆうたやろ。


歩道に落ちとるゴミ拾とるねんけど、車道にも落ちとる場合がある。


けど、大通りから一本入った道やけど、交通量が多いねん。

車道走っとる自転車も結構なスピードを出しよるし、歩道でも出しよる。


今話題の、ながら運転もしょっちゅう。




やから、車道にあるんは危なくて拾われへん。

高速道路のゴミ拾う人みたいなもんや。(高速みたいなスピードは無いけど危ないことには変わりない



やのに、咫穢臀さんと襷苳さんはゆうた。



「なんで拾わんの?」


「ちゃんと拾わなあかんやろ。」



危険と説明しても、



「そんなんサッと行ってパッと取ったらええやん。道路にゴミがあったら邪魔やし危ないやろ。」



「今の若者はゴミ拾いなんてせーへんし嫌がるけど、うちらの若い時は率先してやったで。」

うちの存在はゴミ以下か?


てか、事務所内を散らかし汚しとるんはうち以外の人等全員や!


大体、当番制でも無いもんをやっとんねん!


新人の仕事やゆうなら、番濡雌さんと妻傳さんと杤吐さんがやるべきや!


掃除が女の仕事やゆうなら、女全員でやればええ。



なんで、うちだけがやることになるねん!






…と、毎日毎日、常々思おとるけど、当番制は提案せーへん。


ゆうてもやらんやろうし、お金貰ろとる仕事でも滅茶苦茶しよるのに、雑務なんかさせたら…もう…あかん。

想像もしたないわ。(恐怖

Chapter50






Chapter50







こんな会社でも、募集かけるとたまぁ~に実状を知らん人が面接したいって電話が鳴る。


貴重な、ほんま貴重な応募者やのに、


うちから電話代わった鶏虎さんは、一旦保留にして渋い顔。



「社長。〇〇歳やねんけど、どうします?」



「え?〇〇歳?あかん、あかん。厳しいわ。断って。」



社長も鶏虎さんも応募者の年齢に不満らしく、即断ってもーた。



あんたら、そんなん言える立場かっ!


せっかくの応募者やのに!


根本的なことを改善せな、あんたらの望む若い人なんてけーへんわ。


辛抱も我慢も強いうちかて限界やのに。



育てる気もない、改善もせん、押し付けるばっかり、古い体質を常識と強要。



やのに、若さと戦力だけ欲しがる。



そりゃ優秀な人間は次々と辞めて人手不足にもなるわ。

Chapter51






Chapter51







若さと即戦力。

あまりにも無い物ねだりしとったら(Chapter50参照)ついには応募者は皆無になった。


流石に焦ったんか、面接を取り付けた。



しかぁーしっ!


応募者は時間になっても来んかった。

所謂ドタキャンやな。


社会人としてあるまじき行為や。


やのに社長ときたら…



「けーへんなぁ~。期待しとったのに(笑)」



笑い事やないわっ!


向こうも悪いけど、類は友を呼ぶ、やな。



狭い世界しか知らんくて、世の中の出来事を自分には関係ないと甘えて大変な事や面倒な事は全て押し付ける。



有言不実行なくせに、どや顔でリスペクトするんは有名な言葉ばっかり。


経営学の本かて、応接室の本棚に読みもせーへんのにいかにもって感じで並び立てて。


机上の空論。


自分自身の信念ってゆうもんがないんやろなー。



高すぎる理想と低すぎる現実の差に全く気付いとらんわ。

Chapter52






Chapter52







蜀仙の納品書は控え・納品書・受領書の三つに分かれるタイプで、得意先の専用伝票があって納品書と受領書がいらん時があんねん。(ほんまは受領書もいらんねんけど仕様やから仕方ない


それを自社メモに使おてんねんけど、すぐ使えるように机に置いてんねん。

電話とかで必要になるやんか。


で、別にうち専用のメモでも無いし誰が使おても構めへん。


けどその場合、メモはクリップで挟んであるから一枚とか必要な枚数取っていくやろ?


ほんで、本体は机の上そのままやろ?



机におる人がメモ無くて困らんように。




でも、襷苳さんは違うねん。



メモごと持ってくねん。



しかも元に戻さん。


一緒に使ったペンさえも。






席離れとって気付かず電話取って、書こう思うたら無いとかしょっちゅうや!



そんで、うちかて学習してん。



メモ束を引き出しの中にもう一つ忍ばせておく。


出してる方は枚数少なくしてな。


ペンかて複数持ち。


出してるんがいっちゃん書きやすいねんけどな。



メモ使うんはええねんけど、ほんま周りの事考えとらんわー

Chapter53






Chapter53







社長の書く字ってな、小学生が無理に綺麗に書いたみたいやねん。



けどな、それは得意先だけで、社内で書く字は全く読まれへんミミズ文字。


因みに会長の字もな。


会長は得意先にもミミズ文字やけどな。


字って社会人にとって重要やんか。



綺麗か汚いか、上手いか下手か。


そんなんやないねん。


読むであろう他人のことを全く考えとらん、ちゅー話や。




電話の留守電も定型文のまま、小学生が作文読んでるような感じ。



「〇〇です。またかけます。失礼します。」




なんか心が無い。

って感じるねん。




書道的な流れるような素人には読まれへん字やアナウンスのように機械的な声。


これらには心が無いとかは感じひん。



味があるというか、あたたかみがあるというか…





うちの中で、社長のんとなんかが違うんやろな~


理由は全く分からんけど(悩

Chapter54






Chapter54







会社に届くDMって、まあ結局のとこ捨てるんが多いと思うねん。



けど、捨てるにしても、社長以下うち以外は届いたそのまんまゴミ箱へ、や。


そのまんま、やで?



チラシならともかく、いくらDMでも個人情報が入っとるんが大半や。(住所も個人名もある




それを、やで?



世の中情報管理が大切や。


家庭でもシュレッダーがある時代に、そのまんまって……



会社にきとるから、載っとるんは会社名と社長名(もしくは会長社長家族名)だけやからうちが放っておいてもなんら問題ないけどな……




あ、問題あったわ。


机の側の個人用ゴミ箱やから、毎回ゴミ集める時重たいねん。


しかも詰め込むから逆さにしても出てきよらん。



手間やわ。





うちの家庭は、小さい手動のやけど、シュレッダーがある。


うちもそういうのは気になる。



家庭のしつけ?教育方針?の違いか?

Chapter55






Chapter55







蜀仙に入って三年目のある日、突然鶏虎さんから



「この日健康診断やから、ここの病院行って。いるもんとかこの封筒の中に書いてあると思う。」



健康診断?



労基違反しまくりやし、無いもんやと思おてたわ。(実際こん時まで無かったし



しかも、行く先の病院が地元でも評判の悪いとこ。

絶対入院はするな、ってみんなゆうてるとこらしい。


うちは行ったことないから分からんけど。



なんでそんな病院かゆうと、うちの推測やけど鶏虎さんの電話聞いとったら多分、期限ギリギリやったからや。


そんな病院しか空きが無かったんやと思う。


うちの年齢やと、かかりつけの診療所でも出来るめっちゃ簡単な検査やのにわざわざ電車や。



時間の無駄ぁ~!!

それにな、全員やないねん。

一日一人ずつ。


人手不足の悪影響がここにも。



それにな、病院側の案内が不十分過ぎる。


一つの検査が終わったらその度に受付に言いに行かなあかんかった。

言え、って言われた訳ちゃうで。

受付に言わな放置されそうな気配がプンプンしたからや。



案の定、診察して問題ないと言われ待合室に戻って来たんはええ。


けど、帰ってええとは言われんかったから待ってたんや。


勝手に帰ったらあかんやろし。


問診書いただけで検査内容は聞いてへんかったから、帰ってええもんか分からんかったからな。



日が悪かったんか前日の角橋さんより予想以上に時間をとってもーてた。


仕事あるし、後はどうなんやろ~って軽い気持ちで受付に聞きに言ったら、



「もう終わりなんで帰って結構です。」



おいこら。



聞かんかったら、うちずっと待っとるところやったやんけ!

因みに、聞こう思たキッカケは他の患者が受付に聞いとったからや。(内容は知らんけど



うちの判断、グッジョブ!



自分から言わな分からんもんなんかな?

受付の人も検査の人に聞きに行っとったし。


いくら、外来患者がおる待合室とはいえ、これやと時間かかってしゃーないと思うねんけどな。



分からんくて聞かずに勝手に帰ってしもーたらどーすんねんやろ?

向こうから終わりやゆうてくれな分からんちゅーねん。



健康診断の流れとかマニュアルとか指導とか無いんやろか?




システム分からんし、気ぃ使うし、病院って往々にして疲れるもんやけど、余計疲れたわ。




まったく、診療所で出来たらええのに~(多分指定か何かあるんやろうけど




健康診断かて散々上から言われて、今回に至ったらしい。



ほんま危ないわ、この会社…