――いや、私はドMじゃないし。

サンドイッチをつまみながらあの部屋を掃除してほしいと、どうお願いするのがいいか考えた。

「本日のサンドイッチはお口にあいませんでしたか」

心配そうに尋ねながらも松岡くんの顔には〝俺のサンドイッチがまずいとかあるわけねーだろ〟ってはっきり書いてある。
うん、サンドイッチはきっとおいしいんだろうけど、悩み事で味がこう、いまいちわからないんだよ……。

「ううん、おいしいよ?」

無理矢理笑顔で答えながら、心の中でははぁーっとでっかいため息をついた。

どっちにしてもあの部屋は片付けてもらわなければいけないわけで。
家政夫にもきっと、守秘義務とかあるだろうし。
それにTLノベルをエロ小説って莫迦にされるのは、慣れたくないけど無理やり我慢するすべは身につけたし。

だから、……腹括ろう。

「あの、ね」