台所で水を飲み、気持ちを落ち着けて仕事部屋へ戻った。
セバスチャンも一緒についてきたが……気にしないことにする。

調べごとをしようとパソコンのスリープを解除する。

「にゃー」

セバスチャンは華麗に机の上にのり、手前の僅かな隙間に寝そべった。

「だーかーら。
なんで仕事の邪魔をしたがる……?」

普段は無視している癖に仕事をしようとするとかまえとくるのは、うっとうしくもあり、可愛くもある。

「あー、はいはい」

「にゃー」

わしゃわしゃとあたまから身体まで撫で回してやったら、セバスチャンは気持ちよさそうに喉を鳴らした。

「はい、じゃあどいていただけますか」

強引に机の隅にセバスチャンを押しのけ、キーボードに手を伸ばす。