それでかかっているソースもお手製となると完璧!以外に言いようがない。

「松岡くんって料理、どこで習ったの?」

猫事件以来、少しだけ世間話もするようになった。
距離的に打ち解けている編集さん、桃谷さんと同じくらいな感じ。

「なぜそのようなことをお尋ねになるのですか」

コロッケを揚げながらこちらなど見ずに、聞いてくる。

「あー、うん。
執事って料理もできないといけないのかなー、なんて気になったから」

イメージとしての執事像はあるが、実際の執事には出会ったことがない。

――いや、松岡くんは執事もどきだけど。

でも、イギリスの専門学校で勉強したって言っていたし。

「そうですね、料理は基本、料理人がいたします。
ですができた方がなにかと便利ですね」

「ふーん、そうなんだ」