次の火曜日、私の家でうろうろしている黒猫に、松岡くんは怪訝そうだった。

「貰われていったのでは?」

「それが……」

週末にあったことを松岡くんに話す。

「……そういう人間には猫と同じ思いをさせてやればいいんですよ」

「ひぃっ」

彼の額には青筋が浮いていたし、唇の端はぴくぴくと引きつっていた。
さらには地の底に響きそうな声で身体ががたがたと震える。

「そ、そうだね」

「……失礼いたしました。
あなたが悪いのではないのに、怯えさせてしまいましたね」

目を細めて優しく微笑まれると、心臓がとくんと甘く鼓動した。

でも、つい先日、病院で検査してもらったけど、異常なしだったんだよねー。