「……三度目」

つい、行儀悪く咥えたままのストローを吹いてぶくぶくさせてしまう。

――そう、崩れた物で閉じ込められたのはこれで三度目。

一度目は素直に両親に助けを求め、今回ほどじゃないけど怒られた。

二度目はトイレだったから、助けを呼ぼうにも携帯を持っていない。
なんとかドアを蹴破って脱出し、もう二度とこんなことが起こらないようにと固く誓ったはずだった。

――が、今回の三度目。

父の最後通告も仕方ないといえる。

「あの家、どうにかしないとダメですよ」

「……そーですね」

元来、家事が苦手なのと仕事の忙しさが相まって、家の中は酷い有様だ。
きっと、泥棒に入られたって気づかないと思う。

「そうだ、ハウスキーパーとか雇ったらどうですか?」