いつものようにキーを叩いているうちに、松岡くんがやってきた。

「本日もよろしくお願いいたします」

茶の間を見ながら、松岡くんは苦笑いを浮かべた。

「酷い状態ですね」

「あー、さっき、運動会やってたから……」

室内はありとあらゆるものがなぎ倒され、置いてあったティッシュの花が満開になっている。

「すぐに片付けます」

「お願いー」

荷物を下ろし、松岡くんが腕まくりする。

「ああでも、先にお茶にした方がよろしいですよね」

「別に……」

――ぐーっ。

返事をするより先にお腹が鳴る。