怒りで身体がぶるぶると震える。
あのとき、私はあんなに怖い思いをしたっていうのに、こんな理由だったなんて。

「ああ、そうですよ!
猫と遊んでいるのを知られたくなくて、ごまかしたんですよ!
それのどこが悪いんですか!?」

逆ギレされて身体がびくんと揺れる。

ん?
これは私が悪いのか?
いや、悪くないはずだ。

「猫は至上の生き物です。
人間こそが猫の下僕なのですから!」

酷くご満悦な松岡さんが怖い。
ある意味若干、身の危険を感じる。

「あなたも抱いてみればわかりますよ、ほら!」

「う、うん……」

傍にいた黒猫を押しつけられ、気圧されて受け取る。

……うわーい、ふわふわー。
もふもふー。