――猫の死体が送られてきたり、とか。

いやいや、まさか。
いくらなんでも短絡的すぎると思う。
けれど心臓はどくん、どくんと妙に自己主張をしていた。

なるべく音が出ないように、慎重に裏木戸を開ける。
中に進むにつれて猫の声がにゃーにゃーと大きくなっていく。

「ああもう、可愛いですねー」

そこで見た光景に、私は我が目を疑った。

「……なに、やってるんですか?」

「え?」

相好を崩し、猫にすりすり頬ずりしていた松岡さんの動きが止まる。

「なにやってるのかって聞いているんです!」

固まった松岡さんの手から猫が落ちる。
茶虎の猫は危なげなく地面に着地して、身繕いをはじめた。

「なんですか、ひとんちに入り込んで猫と遊んでいるのを知られたくなくてこの間、見間違えだとか私を責めたんですか!」