トイレはかろうじて間に合ったものの、足の痛みは酷くなる一方。
肩こり用の湿布があったはずだと探すけど、散らかり放題の家の中から見つかるはずもない。
泣く泣く両親に助けを求めたところ、来てくれはしたが二十四にもなって説教された。

そもそも、父は私のひとり暮らしに反対だったのだ。
とうとう、次、こんなことがあったら家は取り壊し更地にして売りに出すとまで通告された。

それだけは――絶対に避けたい。

「そんなに笑わなくたって……」

火が出そうなほど熱い顔を落ち着けようと、淹れてもらったアイスコーヒーを飲む。
時間がたって氷が溶け、薄くなったアイスコーヒーはおかげで、少しだけ平常心を取り戻せた。

桃谷さんとはここ一年くらいの付き合いだ。
けれど元文芸にいたというのが信じられないくらい明るく押しの強い性格で、あっという間に私の懐に入られた。
他にもいくつかお世話になっているTLノベルの編集はいるが、たぶん彼女が一番打ち解けている。

「だって、閉じ込められたのこれで二度目?
でしたっけ?」