気づいていても黙っておくとかいうことはできないんだろうか。

またもや熱くなってしまった顔で、黙ってストローを咥える。
ベルガモットの香りがするアールグレイのアイスティが、熱を持つ身体を冷やしていく。

「……やっぱり、おいしいんだよなー」

玉子サンドは隠し味のマスタードが利いていておいしいし。
スコーンは相変わらず、しっとりとさくさくを両立している。
ケーキもスポンジふわっふわだし。
もうコンビニスイーツには戻れそうにない。


夕食は約束通り、ハンバーグだった。
しかもスキレットに入れてトマトソースで煮込み、さらにはチーズをのせて焼いてある。

「おいしそう」

じゅるりとよだれが垂れてきそうになるのをかろうじて抑え、携帯で写真を撮る。

「よろしいでしょうか」

ぎくりと、携帯を持つ手が震えた。