もう最終手段の両親に頼るしかないのはわかるのだが、その、……問題が。

集中している間はよかったが、途切れると猛烈に、こう、さっきから、……トイレに行きたい。

「仕方ない、よね」

机の僅かな隙間に、慎重によじ登る。
机の向こうは窓。
平屋建ての、我が家の窓からの脱出は可能だが、いざ下を見てみると思いのほか高く感じた。

「でも、そうするしかないわけだし」

窓に足をかけて目をつぶり、思い切って飛び降りた。



「それで足、捻挫したんですか!?」

打ち合わせで来たTL(ティーズンラブ)ノベルのラズベリー文庫編集部、足をひょこひょこ引きずる私に担当の桃谷(ももや)さんは心配そうだったが、理由を聞くと大笑いしだした。

いや、桃谷さんは人事だからいいかもしれないが、……あれから、大変だったのだ。